「先生の説かれる道を喜ばないわけではありませんが、私には力が足りなくて行うことができません」
弟子のぜんきゅうがこう言うと、孔子は答えた。
「本当に力が足りない者なら、途中で力尽きてしまうだろう。お前は自分で自分の力を見限っているだけだ」
自分で自分を限界づけ、変化成長することにすくんでいる弟子を孔子は厳しく叱っている。
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優れた教育者は、実現不可能な無理難題を与えるのではなく、学ぶ者の現在のレベルをしっかり見極め、それより少し上のレベル、努力すれば必ず達成できる目標を与えることにより、その者を確実に成長させます。そして、学ぶ者が最終的に目的を達成できるようにします。
一番優れた教育者といえば、お釈迦様(仏様)でしょう。我々のような一般人にとって、お釈迦様の説かれた仏教における目的とは何でしょうか。
仏様に自分のお願い事を実現して貰うことよって、人生をより豊かに生きることが目的だという考えが現代では一般的なような気がしますが、仏様にお願いばかりする行為は祈願仏教とも呼ばれ、それを嘆く方もいらっしゃいます。
私は仏教における目的はお釈迦様(仏様)のような人になることだと思います。仏様のような正しい行いを日々実践していれば、全てが良い方向へ進み、結果として、人生をより豊かに生きることができると思います。
仏様のような人にはなれないと考える方がいることでしょう。しかし、一番優れた教育者であるお釈迦様(仏様)が実現不可能な目的を与えるとは思えません。少しでも可能性があるならば、たとえ長い時間がかかろうとそれに挑戦すべきではないでしょうか。
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