龍谷ミュージアムで8月11日から9月27日まで開催されている玄奘展に行ってきました。

当日は、薬師寺の僧侶による「玄奘三蔵の二つの『不』」という話がありました。二つの不とは、「不東」と「不可得」です。

玄奘三蔵は西域に踏み出さんとする時、老人と出会い、
「中国には正しい教えは乏しい。さればこそ正しい教えを求める為に西方に趣くのである。インドに到らないうちは東を向いて帰ることはない。たとえ道半ばに死したとしても悔やむことはない」
と語りました。

不可得は玄奘三蔵が臨終に際して唱えた偈の中にあり、「空」と同じで、かたよらない、こだらない、とらわれない心を意味しているそうです。

また
「お経はスートラと呼ばれ、糸のことである。つまり、上(仏)と下(衆生)をつなげる糸である。我々は仏を実際に目にすることは出来ないが、お経が我々を仏様につないでくれる。だから、お経は大切である」
という話が印象に残りました。

西遊記の沙悟浄が深沙大将であるということは広く知られていると思いますが、深沙大将が首からぶら下げたドクロは玄奘三蔵の前世のドクロだそうです。7つドクロがある場合、玄奘三蔵は7回前世でインドに行こうとしたが、失敗したということです。

展示内容も興味深く、残り期間が短いですが、お勧めの展示会です。
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