堂内には、立派な中厳円月坐像があり、まず目に入りますが、御本尊はその後ろに祀られている小さな薬師如来像とのことです。今回の特別公開は、京都国立博物館に寄託していた中厳円月坐像と毘沙門天像が約70年ぶりにお寺に戻ったことを記念してだそうです。
中厳円月坐像はまるで生きてそこに座っているようで、怠け心が出てしまった修行僧も本像の前に座ると、気持ちを新たに頑張れただろうと感じました。もちろん、昔の修行僧だけでなく、現代の我々も像と対面すれば、やる気が湧いてくると思います。
毘沙門天像は中厳円月坐像の中に納められていた胎内仏です。運慶の孫である湛慶が作ったとも言われており、左手に多宝塔ではなく、水晶を持っています。そして、その水晶の中には伝教大師・最澄が持ち帰ったと言われる仏舎利が納められているそうで、凄い像だなと思いました。更に寺宝の掛け軸も掲げられており、縄衣文殊像は有名な明兆作だそうです。
また、堂内には、二つの茶室(妙喜庵、他足軒)があります。妙喜庵は一畳半で、花頭窓があり、元々は火灯窓と書きましたが、火という字は火事を連想して縁起が悪いので、花頭窓となったそうです。妙喜庵のにじり口は庭に面していますが、他足軒は、にじり口が堂内にあるのが珍しいとのことです。他足軒は四畳半で、千円でお茶がいただけるようになっていました。
庭には甘茶が植えられており、写真が飾ってありましたが、ガクアジサイのような花を咲かせるそうです。5月中旬から6月初旬が見頃だそうで、霊源院は特別公開後も継続して一般公開するそうで、その頃にまた訪れたいなと思いました。
堂内には、千円で写経・写仏が出来る部屋もあり、一般公開を始めれば、人気が出るお寺だろうなと思いました。

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