本堂には観音様が祀られており、こちらの観音様が観音まつりの観音様かと思っていると本堂から更に石段を登った場所にある観音堂に祀られている観音様がそうらしいです。観音様は色彩などが綺麗に残っており新しい仏像にも思えました(頂いた案内書には造られた年代などは書かれていませんでした)。観音堂は琵琶湖を望む高台にあり、そこからの琵琶湖の眺めは素晴らしかったです。
竹連寺
こちらで祀られている仏様は宝冠阿弥陀如来坐像です。しかし、実物を拝観すると宝冠阿弥陀如来には見えませんでした。案内人の方が両手は近世の補修によって観音の手が取り付けられたと言っていたので、納得しました。
冷水寺
十一面観音坐像が祀られていますが、こちらは1702年に造られた鞘仏(さやぼとけ)です。鞘仏ということは中に胎内仏があります。なぜ鞘仏が造られたかというと、1583年の賤ヶ岳合戦で柴田勝家軍により放たれた火によって観音像が焼損しました。村人は小さなお堂を建てて焼けた観音像を安置していましたが、1699年に観音堂の扉が自然に開きました。中から現れた痛ましく焼け損じた観音像の姿に村人は心を痛め、鞘仏を造ったのです。
案内の方が上記のことを紹介してくれましたが、その方は本当にこちらの観音様が好きなのだなと感じました。以下は案内の方が最後に紹介してくれた言葉です。
「あの賤ヶ岳の合戦で焼き討ちに遭った観音像を 鞘仏までつくって今日まで護ってきた先人の魂、真心を体感してください」
この言葉を知っただけでも今回、観音まつりに来た甲斐がありました。湖北観音めぐりの目的は色々あるでしょうが、今日まで護ってきた地元の方の魂、真心を体感するのも大切な目的だと思います。

高月観音堂(大円寺)
本尊として十一面千手観音像が祀られており、その左側には藥師三尊像と十二神将像、弁財天像が祀られていました。右側には、大権修理菩薩像、毘沙門天像、白髭大明神像、阿弥陀如来像、不動明王像、地蔵菩薩像が祀られており、非常に仏像が多いお寺でした。湖北の仏像を掲載した本に大円寺の釈迦苦行像が載っており、是非、拝観したいと思っていたのですが、残念ながらどこか別の場所に行かれているそうです。
こちらの観音様は賤ヶ岳の合戦の際にお堂に火が放たれ焼失した時、自ら火難をのがれたそうです。よって「火除けの観音さま」としても信仰を集め、堂内で火除けのお札を頂きました。
お堂から戻る時に十三重の石塔があったので、「なぜ十三なのですかね」と同行の方に聞いたところ、十三仏の十三から来ているのではないかと教えてくれました。
カテゴリ
タグ