九州仏展の案内に
「奈良や京都の仏像は素晴らしい。だが、九州の仏像はもっと素敵だ」
と書かれていました。

郷土愛にあふれたキャッチコピーだとも言えますが、総合的に見ると、やっぱり、奈良や京都の仏像のほうが上だと思う人がほとんどではないでしょうか。では、九州の仏像が奈良や京都の仏像より勝っている点はどこでしょうか。

九州歴史資料館でいただいた資料の中で、
「造形から見た時、福岡で造像された仏像のそれの主たる要素としては、都からの影響、大陸からの影響、在地の伝統の三つがあげられます。これら三要素のそれぞれが、それぞれの造像の場によって強弱を変化させながら縒り合わさることで、その姿は形づくられているのだと理解することができます。」
とありました。これを読んで、このことは福岡だけでなく、九州全土の当てはまると思いました。つまり、奈良や京都の仏像に比べて、九州の仏像は、たくさんのものが交じり合った濃厚、濃密なのです。ですので、マイキャッチコピーは
「奈良や京都の仏像は素晴らしい。だが、九州の仏像はもっと濃密だ」
です。
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