仁王門から境内に入ると、立派な閻魔大王の石像がありました。また、お竹大日堂もあり、扉越しに中を覗くと、出羽三山の本地仏である大日如来像、阿弥陀如来像、観音菩薩像が祀られていました。

境内にある案内を読むと、江戸時代、江戸・日本橋にお竹さんという生き仏のような女の方がおり、多くの人々から尊敬されていました。羽黒山の山伏は夢で「生身の大日如来像を拝ませましょう。江戸に行き、お竹を拝め。大日如来の化身であるぞ」というお告げを受け、お竹さんを拝みました。お竹さんが亡くなった後、大日如来像が造られ、羽黒山にお竹大日如来像が祀られました。

お竹さんについては初めて知りましたが、このような良い話を知ることもお寺めぐりの楽しみの一つですね。

次に工事中の黄金堂に行くと、堂内の拝観可能とありましたので、同行の方が黄金堂と道を挟んで反対側にある正善院にお願いに行きました。お堂には張り紙で
・寂しいのは心に仏がいないから
・苦しいのは心に仏がいないから
・悲しいのは心に仏がいないから
とあり、考えさせる言葉でした。

お寺の方がこられ、まずはお竹大日堂を拝観。その後、黄金堂の中に入りました。入るとまず、東大寺南大門の仁王像のような大きな仁王像があり、びっくりしました。元々は羽黒山の随神門に祀られていた仁王様だそうです。

そして、堂内中央に移動すると、思わず声を上げてしまうほど、素晴らしい仏像群が。中央に聖観音坐像が三体と、両脇にそれぞれ15体ずつ、合計、33体の聖観音像が祀られていました。特に両脇の聖観音立像に感動しました。15体ずつ整然と並んでいる等身大の観音像のその姿は、三十三間堂の観音像のようで、とてもありがたく感じました。

堂内には上記以外にもたくさんの仏像があり、それらを拝観しながら、お寺の方と楽しい会話をすることができました。羽黒山を訪れる機会がありましたら、羽黒山荒沢寺正善院・黄金堂に訪れることを強くお薦めします。三十三間堂を思い浮かべる素晴らしい観音像群を多くの方々に知ってもらいたいです。
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