桜井駅から談山神社行のバスに乗り、「聖林寺」バス停で下車しました。聖林寺の次は談山神社に行く予定だったのですが、次の談山神社行のバスは1時間20分後。つまり、たっぷり拝観する時間がありました。バス停から歩き始めるとほどなく聖林寺に着き、寺務所で拝観料を払い、堂内へ。
本堂に入ると本尊のお地蔵様に目がいきます。大きな石仏のお地蔵様です。その脇には、白い肌の掌善童子と赤い肌の掌悪童子が祀られていました。お地蔵様、掌善童子、掌悪童子で地蔵三尊だそうですが、このような地蔵三尊は初めて拝観しました。掌善童子、掌悪童子の両像がまとっている衣はまるで本物の衣のように思えました。
本堂右側には如来荒神像が祀られていました。こちらの仏様も初めて拝観する仏様で、白い肌に六臂でした。如来という名前なのに様々な装飾品を身につけていました。2月に鎌倉の浄妙寺で拝観した三宝荒神像は明王のような憤怒の表情でしたが、こちらの如来荒神像は憤怒の表情ではなく、おだやかなお顔をされていました。荒神像といっても、様々なものがあるのだと思いました。
また本堂右側の窓から外の風景を眺めることができ、気持ちのいい風景でした。
本堂左側には阿弥陀三尊が祀られていました。阿弥陀三尊ですが、阿弥陀如来の向かって左側は勢至菩薩ではなく、地蔵菩薩でした。阿弥陀如来像の前に立つと上から見下ろすような形になるのですが、阿弥陀様はやはり像の前に座り、下から仰ぎ見た方が断然良いです。
そしていよいよ国宝の十一面観音像へ。観音像は2階に祀られていますので、階段を上り、収蔵庫のような観音堂へ。観音堂の扉は開けられており、そこから中を見るとガラス戸の向こうに十一面観音像が祀られていました。写真で見た時は「少しふっくらした観音様かな」と思っていましたが、実物は均整のとれた素敵な体型でした。
堂内に上がれるようになっていましたので、堂内に上がり、拝観。私以外だれもいなかったので、般若心経も唱えました。色々な角度から観音様を拝観しましたが、観音様の真正面に座って、見上げたお姿が一番だと思いました。あまりにも離れがたかった為、拝観時間がたっぷりあったにも関わらず、バス停まで走っていくことになりました。
天平時代から日本とそこに生きる人々を見続けてきた観音様。そのような素晴らしい観音様と出会えたことに感謝です。
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