今年(2013)は、藤原冬嗣が父である藤原内麻呂追善のため、南円堂を建立してから1200年になりますので、それを記念して、年に一度しか公開されない南円堂が4月12日から6月2日まで、北円堂と合わせて特別公開されています。
よって、南円堂拝観をメインに奈良に行って来ました。

興福寺に到着すると、奈良まほろば館の興福寺法話会で頂いた引換券を提示し、入場券と記念品(にほい袋)を頂きました。興福寺法話会、聴講してよかったです。

まずは南円堂の前に観音様にお参りをし、その後、堂内に入りました。南円堂には観音像の左側から入るような形となり、観音像は堂内の真ん中に安置されていますので、その周りを回りながら拝観です。



不空羂索観音像は八臂で、二手が合掌していますので、正面に立つと自然とこちらも合掌してしまいます。そういうところが良いですね。

光背には穴があり、背中が見えるようになっていました。これは鹿皮がよく分かるようになのかなと思いましたが、どうでしょうか。
一周目は、向かって左側から見た時の観音像が良いように感じました。

二周目を始めるとすぐにどの角度からも素晴らしいなと思うようになりました。やはり、素晴らしい観音像です。
お会いしたのは今回が二度目ですが、出来れば、毎年、お会いしたいなと思います。

次は北円堂です。北円堂には運慶が造った弥勒如来、無著・世親像が祀られていますが、注目するのは、やはり、無著・世親像です。特に無著の顔は素晴らしいです。



無著は視線を下に、世親は視線を遠くに向けています。
最近、インターネットで知りましたが、世親が視線を遠くに向けているのは、弥勒菩薩が修行している兜率天に行きたいことを表している、無著が視線を下に向けているのは、弥勒如来が56億7千万年後に下生する時に一緒に現れることを表現しているとあり、それを考えながら、拝観しました。

もちろん、弥勒如来像も素晴らしく、そのお顔を見ていると、必ず全ての衆生を救うと優しく語りかけているように思えました。

特別公開は後一ヶ月ほどありますので、是非、訪れてみて下さい。

(追記)
奈良まほろば館での興福寺法話会において、聞いた「裁判所から引っ越してきたお地蔵さん」は、きっとこちらの像だと思います。


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