樺八幡神社の次は、福井県丹生郡にある八坂神社に向かいました。八坂神社は新TV見仏記6「福井・越前編」で紹介されており、その中で十一面女神像が特に印象に残ったので、今回の仏像めぐりで訪れるのを楽しみにしていた場所です。

幹事の方によると、「事前予約はしたが、当日訪れる前にもう一度電話連絡が欲しいと言われている」とのこと。そこで、向かう途中に電話連絡を入れようとしますが、連絡が取れません。

結局、連絡が取れないまま、八坂神社に到着。案内の方はおらず、収蔵庫の前で待ちますが、案内の方は約束の時間を過ぎても現れません。なんとなく諦めムードが漂ってきましたが、ここまで来て、十一面女神像にお会いできないのはとても残念です。





困った時の神頼み、そうです、八坂神社にいるのですから、牛頭天王にお願いしようと思い、収蔵庫から本殿に移動しました。



そしてお参りが終わると、「(案内の方が)来ましたよ」の声が。さすが牛頭天王です。願いが即効で叶いました。

急いで、収蔵庫に戻り、中に入ると、素晴らしい光景が目に入りました。どの仏像から拝観するか迷いますが、やはり、十一面女神像からです。

十一面女神像は名前のとおり、女神像の頭頂部に十一面観音像に見られるような菩薩面がついた像です。神仏習合の像を何度か拝観したことがありますが、このようなお姿の像は初めてです。
女神は白山妙理権現とのことで、その本地仏は十一面観音なので、十一面観音が白山妙理権現として現れようとしている正にその瞬間を表現しているのでしょうね。

次は、二体の阿弥陀如来坐像と釈迦如来坐像です。三体とも大きな像で、第二室戸台風により、社殿が壊れ、社殿を修復する時に社殿の下から出てきたとのことです。
三体ともそれぞれ個性のある良い像ですが、個人的には釈迦如来像に一番惹かれました。

次は菩薩形坐像です。こちらも大きな像です。菩薩像がこんなに大きいならば、中尊の如来像はさぞ大きかっただろうと思いましたが、同行の方が、「大日如来ではないか」と言いました。
肘から先がないので、印相が分かりませんが、残った体部から想像すると、確かに大日如来のような気がしますし、それならば、このような大きな像であることも理解できます。

とすると、先ほど拝観した釈迦如来像も薬師如来像ではないかと思えてきました。牛頭天王の本地仏は薬師如来なので、薬師如来像がいらっしゃらないのは変ですし、薬壺がないので、釈迦如来となっているだけではと思いました。

収蔵庫で素晴らしい仏像を拝観した後、本殿に再び訪れ、牛頭天王にお礼参りをして、八坂神社を後にしました。
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