11月11日、滋賀県長浜市川道町にある川道観音千手院の千手観音像御開帳を訪れた後、すぐ近くにある尊住院を訪れました。
千手院の御開帳に合わせて、尊住院では、河濯(かわそ)権現、秋葉権現、金比羅権現像が御開帳されているからです。

お寺に到着すると、本堂裏のお堂に小さな像が祀られていました。お供え物がたくさんあり、千手院の観音様同様、多くの人々に信仰されているのだなと感じました。



河濯権現とはあまり聞きなれない神様ですが、愛染明王が本地仏で、小谷城落城の折、浅井長政が乳母であった老女に像を渡して、落ち延びさせたという縁起があります。

御開帳されているお堂だけを拝観して帰る人もいるようですが、我々は本堂も拝観しました。
堂内には御住職がおられ、愛染明王の掛け軸を前に話をしてくれました。

仏像は我々にメッセージを与えてくれますが、愛染明王は何を我々に伝えようとしているのでしょうか。

赤い身体により、欲は激しいことを示し、欲により、間違いを犯しやすいことを示しているそうです。

右上の手には未敷蓮華を持っていますが、これは、我々の心の中には仏性があることを示しています。
また五鈷杵、五鈷鈴を持っていますが、これは、心を鎮めるために持っています。実際に五鈷鈴の音を聞かせてもらいましたが、怒りで心が乱れた時など、この音色を聞けば、我に返り、心が静まると感じました。
最後に弓と矢を持っていますが、これは、遠くにいる人の中にある悪い心を射るために持っているそうです。

炎で悪い心を焼き尽くし、蓮華座の下にある宝壺は、愛染明王を信仰し、日々、正しい行いをすれば、富が得られるということを示しています。

愛染明王の持物の解釈は上記以外にも様々あると思いますが、聞けば、「仏様ってありがたいな」と思い、前を向いて、一歩踏み出すことが出来るのが仏像拝観の良いところですね。

愛染明王の話の後、内陣の仏様を紹介してくださり、良いお寺めぐりとなりました。
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