月刊致知12月号に作家の五木寛之さんの「大人の幸福論」が掲載されています。

コップに残った水を、まだ三割も残っていると考えるか、もう三割しか残っていないと考えるかという話があるでしょう。
そしてまだ三割も残っていると考えるほうがポジティブでいいんだと。
だけど、あと三割しか残っていないという現実をきちっと勇気を持って見定めることも大事です。

戦後よくなかったのは、なんでもプラス思考、プラス思考で、笑うこと、ユーモア、明るい気持ち、前向きと、そんなことばかりもてはやしていることです。
でもそれは車の片方の車輪でしかない。もう片方の、深く悲しむ、嘆く、泣く、涙をこぼすことも大事なんです。

ちゃんと悲しむということは、笑うことと同じように大事なことなんです。ただ笑うだけじゃ無意味ですよ。涙も流さないとダメ。

喜ぶことも、悲しむことも、両方大事なんです。本当の幸福を手にするためには、そういうところにも目を向けなければなりませんね。
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