廬山寺の次は浄福寺に行きました。浄福寺は今回の京都非公開文化財特別公開で訪れるのを楽しみにしていたお寺です。
それは洋泉社の「地獄の本」という本を夏頃に購入したのですが、その中に、秋の京都非公開文化財特別公開で、絵解きをすると書いてあったからです。

私は絵解きが好きです。絵解きを聞くと、仏画に描かれているそれぞれのものの意味が分かり、今まで気づかなかったことに気づくことができるからです。
メッセージが込められた絵解き用の仏画を美術品としてだけ見るのは勿体無いと思います。
これは絵解き用の仏画だけでなく、お寺にあるもの全てに言えることですね。
願主や仏師が願いを込めて造った仏像。お釈迦様や宗祖が思いを込めて残した言葉。それらを汲み取れるお寺めぐりをしたいといつも心がけています。

浄福寺に到着すると、絵解きの時間を確認しました。すると、毎時30分からとなっており、私が到着したのは40分頃でしたので、後、50分あります。でも、50分ぐらい、拝観しているとあっという間に過ぎます。

まずは本堂に行きました。
大きな仏画があり、拈華微笑図でした。お釈迦様が示した拈華微笑を理解できたのは摩訶迦葉だけで、その瞬間、お釈迦様の後を継ぐのは、摩訶迦葉に決まったとのことです。

御本尊は阿弥陀如来坐像で、写真によると、光背はたくさんの小さな化仏がある千体光背のようですが、少し距離があり、よく分かりませんでした。

江戸時代に本堂を再建しましたが、その当時は「三間梁機制」という建築基準法のようなものがあり、建物の奥行きは三間以内と決まっていたそうです。
しかし、大きな本堂を再建したいということで、外から見れば二つの建物が並んでいるように見えるが、実際は一つの建物である本堂を造り、日本最古の違法建築とのことです。

本堂の後は、鳴き龍が描かれている部屋などを拝観して、絵解きが行われる部屋に行きました。
部屋には、浄土双六、地獄極楽コリントゲームがあり、地獄極楽コリントゲームに挑戦しましたが、見事に球は極楽浄土に入りました。

そして椅子に座って待っていると絵解きが始まりました。今回は涅槃図の絵解きです。
涅槃図で伝えたいことは
・諸行無常
・諸法無我
・涅槃寂静
とのことで、グーグルで上記の三つの言葉を画像検索した時に出てくる画像を使って、それぞれの意味を楽しく説明してくれました。

御住職によると、閻魔大王が亡くなった人に必ず尋ねる質問があるそうで、それは
「お寺で涅槃図の絵解きを聞いたか」
だそうです。2月15日(あるいは月遅れの3月15日)の涅槃会で涅槃図の絵解きをするお寺がいつくかありますので、是非、訪れましょう。

京都の清凉寺には清涼寺式の釈迦如来像があり、それらの模刻は全国にありますが、京都では、浄福寺だけだそうです。現在、修理中で、来年秋の京都非公開文化財特別公開で公開予定とのことなので、来年の特別公開時も必ず訪れようと思います。


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