10月7日のお寺めぐりは黒石寺からです。予約した時間は9時でしたが、早く着いたので、周囲を散策していると、お寺の前に瑠璃壺川と呼ばれる川がありました。
瑠璃はもちろん、黒石寺の本尊である薬師瑠璃光如来から来ており、有名な蘇民祭では、この川で身を清めるそうです。

時間になりましたので、収蔵庫を開けていただき、中に入ると、中央に薬師如来坐像が祀られていました。
薬師如来様は厳しいお顔をした、力強さを感じる像でした。
造られたのは862年で岩手県で最も古く、東北地方でも二番目に古いそうです。光背に小さな七仏薬師像があり、それも862年に造られたものとのことです。



薬師如来坐像は左足を上にして結跏趺坐をしていることが多いですが、その理由を聞いたところ、左足を上にするのは降魔坐で、病魔を退散させるために降魔坐をしていると考えられると言われ、厳しいお顔をされているのも病魔を退散させるためのことだろうと思いました。

薬師如来坐像は右手の中指を前に曲げており、その理由も聞きましたが、特に意味は無いそうです。
仏教的な意味がなくても、何か考えるのが私流の仏像鑑賞法です。
薬師像を見つめていると、薬師様が薬壺に入った塗り薬を中指に取り、それを病気で苦しんでいる人々に塗ろうしているところのように感じました。

薬師如来像の隣には、慈覚大師像が安置されていました。
「この辺りでは大師といえば、慈覚大師のことですか」と尋ねると「その通り」とのこと。
一般的に大師といえば弘法大師空海のことを指しますが、東北では慈覚大師円仁のことなので、それだけ、円仁が東北で行ったことは素晴らしかったのでしょう。
東北には立石寺、中尊寺を始めとして、天台宗の大寺院が多いですので、お寺としては曹洞宗が多いそうです。

収蔵庫を出た後、本堂内を拝観するため、本堂に移動しました。堂内に入ると、素晴らしい仏像がたくさん祀られており、驚きました。






私の好きな、矢が曲がっていないか確かめている神将もいらしゃいました。


邪鬼も良い感じです。

四天王像、十二神将像、どれも素晴らしいです。丁度、10時から予約しているグループと一緒になりましたが、その中の方が「これだけの仏像が祀られているとは想像もしていなかった」と言われましたが、正にそのとおりの感想を私も持ちました。

黒石寺は本当に良いお寺でした。東北のお寺の中でも特にお薦めのお寺です。
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