また、宗派などを特定しない幅広い意識としての宗教心について聞いたところ、「日本人は宗教心が薄い」と思う人が45%、薄いとは思わない人が49%と見方が大きく割れたそうです。先祖を敬う気持ちを持っている人は94%に達し、「自然の中に人間の力を超えた何かを感じることがある」という人も56%と多数を占めたそうです。
読売新聞は「多くの日本人は、特定の宗派からは距離を置くものの、人知を超えた何ものかに対する敬虔(けいけん)さを大切に考える傾向が強いようだ」と結論付けています。
日本人は宗教を信じる、信じないではなく、宗教というものを特別に意識する必要がないレベルにいるのだと、私は思います。昔から日本人は仏教、神道、儒教などの教えを完全に自己の中へ取り込み、日々の生活において無意識に実践できているのです。ですので、宗教を常に意識しなくとも、道徳心のある行動ができるのです。つまり、宗教を信じる、信じないというレベルよりも上のレベルにいるのです。
一方、宗教の教えを日々の生活において無意識に実践できていない人々は、常に宗教を意識していないと道徳心に欠ける行動に走ることがあり、宗教心を持っているか否かが人間を測る上で重要なことになってきます。よって、「宗教を信じている=道徳心がある」という日本人からはよく理解できない不思議な公式が成り立つようになるのです。
これらのことを理解していないと、読売新聞のような愚問をすることとなり、またその結果を見て「宗教心のない日本人は駄目だ」という間違えた考えを持つこととなります。
世界中の誰が考えても、昔から仏教、神道、儒教などの教えを完全に自己の中へ取り込み、日々の生活において無意識に実践できている、道徳心のある日本人は素晴らしいです。
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