月刊致知11月号に掲載されている、作家・宮本輝さんの「人生、山河あり」より。

- 人間における運や縁というものをどのようにお考えですか。

出会いというのは、偶然ではないと思うんですね。これは動かしようのない一つの法則性があって、どんな人に出会うかは自分次第なんですよ。

そう思いません? 運の悪い人は知り合う人もやっぱり運が悪いですよ。やくざの下にはやくざが集まる。小悪女は小悪男とくっつく。これは不思議なものです。仮に性格の良い人と付き合っても、次第に離れていきます。だから「嫁さんは立派だけど、亭主はね」なんていうことはなくて、家庭の中に入ってみたら似た者同士ですよ。どちらか一方だけが悪いなんていうことはない。

それを分かりやすい言い方をすると、「命の器」だと僕は言うんです。人と人は、その人の最も核となるもの、基底部を成している傾向性が共鳴し合う。要するにどんな人に出会い、縁を結んでいくかは、その人の「命の器」次第ということです。そして、その出会いの質を変えるには、自分が変わるしかないんです。

- 自分の「命の器」以上の出会いも縁もないと。

と思います。
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