しかし、当日はあいにくの曇り空、ちょっと残念な気持ちで浄土寺に到着しました。

拝観料500円を払い、堂内に入ります。「暗い」、それが第一印象でした。浄土寺は差し込む西日を背景にした阿弥陀三尊を拝観できるよう、堂内に余計な照明などありませんので、そう感じたのだと思います。
堂内には数人の方がおり、皆、阿弥陀三尊の前に座り、三尊を見つめていました。私もその中に交じり、テープによる案内を聞きながら、像を拝観しました。
阿弥陀如来立像は5.3メートル、両脇侍の観音、勢至菩薩立像は3.7メートルと大きく、雲に乗った来迎形式であり、仏師・快慶の作です。
阿弥陀如来立像は逆手来迎印をしており、左手は親指と中指で輪っかを作っていますが、右手は輪っかを作っていません。また爪が長いのも特徴です。
観音、勢至菩薩立像はどちらも頭部前面の化仏があるのが珍しかったです(勢至菩薩は一般に化仏ではなく、水瓶があります)。テープの案内にもありましたが、当時の宋の仏画の影響なのでしょうね。
テープによる案内が終了すると、阿弥陀三尊の周りをぐるっと回ることができますので、歩いてみました。快慶作ですので、どの角度から見ても素晴らしかったです。やはり、後ろ姿はあまり拝観できることがありませんので、新鮮に感じます。
勢至菩薩は左足が、観音菩薩は右足が少し前に出ており、阿弥陀如来はどうなのかなと思いましたが、はっきりとは分かりませんでしたが、足は揃っているように見えました。
今回は西日を背景にした阿弥陀三尊を拝観することは出来ませんでしたが、「また来なさいということだね」と話しながら、浄土寺を後にしました。
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