月刊致知10月号に、稲盛和夫さんと横綱・白鵬関の対談「心を高め 運命を伸ばす」が掲載されています。

永続的に発展する企業になるには三つの大切なことがあります。これは企業に限らず、個人の人生にとっても大切なことだと私は思っています。

一つは「謙虚にして驕らず」
 大体、頂点を極めた人が没落していくのは、謙虚さを失って傲慢になった時です。これは経営は経営に限らず、スポーツでもなんでも同じだと思って、「謙虚にして驕らず、さらに努力を」と自分に言い聞かせてきました。

二つ目は「思念は業(ごう)をつくる」
 人間は人生のその時々でいろいろな思いを抱くわけですが、その思いが様々な業、つまり原因をつくっていくんだと。いいことを思えばいい原因をつくるし、悪いことを思えば悪い原因をつくる。仮に思っただけで、口に出したり実行しなかったとしても原因になるのです。

 だから「思い」というものを軽々に考えてはいけないと思っています。本当に長い間、人生を極めていこうと思えば、「どんな思いを抱く」が大切だと思いますね。

 思念は実現します。それはすぐには実現しないけれども、思いが積み重なって、やがて現実になる。だから常日頃どんな思いを抱いているかが大切だと思ってきました。

三つ目は「宇宙の心と一体になる」
 「謙虚にして驕らず」、「思念は業をつくる」と思って経営を続けてきたわけですが、ある時感じたんですね。宇宙には森羅万象、すべてのものをいい方向に生かそうとする、そういう素晴らしい愛の心、思いやりの心が充満しているということを。

 ですから、その宇宙の心に沿った思い、つまり、愛の心、優しい思いやりの心を抱いて行動をすれば、必ず宇宙は手助けをしてくれると思ってきました。長い間会社を発展させていくには、宇宙の心が支援してくれるような考え方を持たなければなりません。
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