かんなみ仏の里美術館は今年の四月に開館した美術館で、桑原薬師堂に祀られていた仏像が移転して展示されています。桑原薬師堂は全体の雰囲気が良く、お堂から美術館に移動すると聞いた時は残念に思いましたが、美術館ではどのように展示されているのだろうと気になっており、ずっと訪れたいと思っていました。

函南駅から30分ほど歩くと、かんなみ仏の里美術館に到着しました。受付で観覧料300円を払うと、「ここは初めてですか」と尋ねられました。「そうです」と答えると、部屋が二つに分かれており、一つは仏像の説明が掲示されている部屋、もう一つは仏像を展示している部屋で、先に仏像の説明が掲示されている部屋から見てくださいとのこと。二つに分けたのは、仏像と説明が一緒ですと、説明を読むのに気を取られて、仏像を拝観することがおろそかになるからだそうです。

案内に従って、まずは仏像の説明がある部屋に向かいました。そこには、大きく分けて

(1)かんなみ仏の里美術館で安置している薬師如来と十二神将
(2)同じく安置している阿弥陀三尊像
(3)阿弥陀三尊の作者が慶派の実慶なので慶派の仏像

に関して説明がありました。それらを読み、情報をうまく整理して、仏像が展示されている部屋に行きました。

部屋では、薬師如来坐像は360度鑑賞できるように展示されており、薬師像以外の仏像は壁に沿って展示されていました。

まずは薬師如来坐像から鑑賞です。最初は離れた場所から見ましたが、やはり、素晴らしい像です。次は、美術館に展示されるようになって間近で鑑賞できるようになりましたので、近くに寄ります。左足を上にした降魔坐をしており、足の裏の下半分に衣がかかっていました。また、意図的かどうかわかりませんが、お顔や胸の肌の部分に木目のようなものがあり、それが像をより神秘的にしているように感じました。

次は薬師如来坐像の後ろに展示されている十二神将像です。4体は平成25年3月まで修理で展示されていませんでしたので、八体が展示されていました。お堂で拝観した時は過去の修復時の色がありましたが、それらが取られ、とれも素晴らしいものとなっていました。

マゴラ大将像はお顔は憤怒の表情ですが、頭の上に乗っているウサギがとてもかわいく、その対比がおもしろかったです。

そして、巳神のインダラ大将像を見た時、これは永福寺形式の十二神将だと思いました。以前ブログに書きましたが、清泉女子大学の山本勉先生の十二神将像の話を聞いた時、鎌倉地方の十二神将は、永福寺・薬師堂、あるいは大倉薬師堂のどちらかの影響を受けており、永福寺・薬師堂の十二神将の特徴は、巳神だけが憤怒の表情ではなく、現実の人間のような顔をしていることです。かんなみ仏の里美術館の十二神将の巳神は明らかに上記の特徴がありました。訪問した時は是非、確かめて下さい。像を通して、伊豆の辺りも鎌倉文化圏であったということが分かります。

次は阿弥陀三尊です。阿弥陀如来像は若々しい感じました。三体とも素晴らしいですが、ガラスケースの向かって一番右端から見た時の観音像の何かを思いふけているような表情が特に良かったです。

土日にはボランティアガイドさんによる解説があるそうなので、今度は土日に訪れようと思います。かんなみ仏の里美術館には今回初めて訪れましたが、とても良い所でした。個人的には星5つの美術館です。

かんなみ仏の里美術館
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