8月4日に愛知県江南市の音楽寺を訪れました。こちらには合計16体の円空仏が祀られています。

お寺に到着すると「南無薬師如来」と書かれた多数の旗があり、多くの人に信仰されているお薬師様なのだと思いました。予め拝観のお願いをしていたので、境内に案内の方がおられ、歴史博物館に案内してくれました。ちなみに拝観料は200円です。



館内には、中央に薬師三尊、その脇に護法神、荒神、更にその脇に十二神将が半分ずつ祀られていました(十二神将像は昔、あるお寺に貸した戌神が戻ってきていないので、十一体しかありません)。

この中では荒神像が一番人気だそうです。二頭身のそのお姿を拝観すると、正に木から神を掘り出したように感じました。音楽寺はホームページはありませんが、こちらのページは取材で訪れているので、仏像の写真もあり、参考になると思います。

案内の方はテレビの取材の時に荒神像をはじめ、全ての仏像を手に持ったそうです。その時、荒神像が一番重たく、荒神像は根っこの近い木で造ったのではないかと考えているそうです。

護法神像は、笑顔がとても素敵でした。まさに仏法に帰依する人々を温かく見守っているという感じでした。

護法神の裏には、弥勒菩薩が56億7千万年後に人間界に下生して、96億人の衆生を救うという思想を素にした歌が書かれているそうです。弥勒菩薩に関する数字としては56億7千万が有名ですが、96億は知りませんでした。Wikipediaによると、
「弥勒下生経には、初会96億、二会94億、三会92億の衆生を済度すると説いている」
とのことです。

十二神将像は全体的に目が釣り上がっており、厳しいお顔をしているように感じます。しかし、案内の方が口元に微笑みがあると教えてくれたので、手で目の部分を隠して見ると、確かに笑っているように見えました。

館内に梅原猛さんの俳句
「子(ね)のそそぐ 汁に満腹 亥と羊」
がありました。

これは、十二神将の子神がスプーンのように見える杖を持っており、また亥神と羊神はお腹に手を当ててお腹いっぱいのポーズをとっているようにも見えるので、詠んだ句だそうです。梅原さんもそのような仏像を見方をすることもあるのかとおかしかったです。

博物館の前には現代の円空仏がありましたが、これは境内にあったが枯れてしまった木で造ったものだそうです。



音楽寺では、素晴らしい円空仏を拝観でき、また管理されている方から色々な話を聞けて、とても楽しいお寺めぐりができました。お寺にはアジサイが多く植えられており、あじさい祭りの期間中は予約なしで拝観できるそうですので、その時期に訪れるのも良いですね。
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