訪れて一番良かったのは春日神の本地仏がきちんと整理できたことです。ちなみに本地仏は以下のようになっています。
・一宮 釈迦如来
・二宮 薬師如来
・三宮 地蔵菩薩
・四宮 十一面観音菩薩
・若宮 文殊菩薩
金沢文庫では一階に称名寺・本尊の弥勒菩薩立像のレプリカが置かれているのですが、どこを基にして、弥勒菩薩と判断したのだろうといつも思っていました。今回の案内で、(目視では分かりませんが)左手に持っている蓮の上に五輪塔があり、それで弥勒菩薩なのだと分かりました。
仏像も何体が展示してありましたが、全てが良かったです。そのような展示はなかなかないと思います。
釈迦如来立像の案内で、「指先の爪を長く伸ばすのは宋代仏画の影響」とあり、京都の戒光寺の丈六の釈迦如来立像を拝観した時、爪が長く伸びていたのはそういう理由だったのだと分かりました。
海住山寺の十一面観音像が貞慶の念持仏であったとあり、今後、海住山寺の十一面観音像を拝観した時の思いが違ってくると思います。
胸元がV字型になった地蔵菩薩立像も良かったです。福智院に訪れた時にV字型は春日の三宮の本地仏を表していると教えてもらいましたが、光背にあるので、間近には見ることができませんでした。一方、今回は展示会なので、胸元がV字型になった地蔵菩薩立像を間近で拝観することが出来、よく理解できました。
一つ失敗したことは閉館時間が4時半で、ボランティアガイドさんの話を聞き、その後、鑑賞しているとあっという間にその時間になってしまったことです。
最後に図録を買いましたが、奈良国立博物館の図録と同じでした。期間は今月の29日までですが、お薦めの展示会です。

カテゴリ
タグ