大雨の中、東禅寺に到着。ぬかるんだ地面を慎重に歩きながら本堂に向かっていると、お堂から鐘の音がしました。「法要が行われていて拝観ができないかも」と思いながら、お堂の中に入ると、お寺の方が暖かく迎えてくれました。



お堂の中央には閉じられた厨子があり、その前にお前立ちの十一面観音像が祀られていました。そして、お堂の左右にはそれぞれ二体ずつ、四天王像が安置されていました。









お寺の方によると、四天王像が有名なのだそうで、広島一と言われており、遠くからも拝観に来るそうです(私もはるばる横浜から拝観に来ました)。

像は170センチぐらいで、鎌倉時代の作です。鎌倉時代の四天王像は胴が長く、おしりの部分が大きいのが特徴だそうで、像をよく見ると、確かにその特徴がよく出ていました。



閉じられた厨子の中には奈良時代の観音像が祀られており、33年ごとの開帳で、中開帳も行われており、次の御開帳は4年後だそうです。火災に遭い、上半身が黒く焦げている箇所があるそうで、是非、お会いしたい観音様です。

ご本尊は拝観できませんでしたが、お前立ちの観音様は慈悲に溢れたお顔をされており、素敵な観音様だなと思いました。



ご本尊が奈良時代ならば、お前立ちは何時代に造られたものだろうと思いましたが、考えるのをやめました。造られた時代がなんであれ、この像をありがたいと思う気持ちに変わりはありませんので。

仏像以外では建物の彫刻も立派でした。見事な龍の彫刻があり、ウサギがいるのは珍しいなと思いました。





このように立派な仏像、彫刻がありましたが、案内してくれたお寺の方も素晴らしかったです。優しさが体から溢れ出ており、長い間、観音様をお参りして観音様に近づいた方なのだなと思いました。東禅寺はもう一度訪れたいお寺です。
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