源宗寺の次は同じ熊谷市にあり、今年の五月十八日に本殿である聖天堂が国宝に指定されることが決定した妻沼聖天山歓喜院です。今回初めて訪れましたが、境内も広く、立派なお寺でした。

本殿の彫刻をガイドさんの案内を聞きながら鑑賞しましたが、ガイドさんによる説明の時間を示す案内板があり、ツアーで訪れなくとも解説を聞きながら鑑賞することができるようです。

訪れた時は残念ながら雨でしたので、あまり良い写真は撮れませんでしたが、案内の中で印象に残った彫刻を二つ紹介したいと思います。

最初は布袋さんと恵比寿さまが囲碁を打ち、それを大黒さまが見ている彫刻です。



碁盤の石は適当に置かれているのかと思っていましたが、そうではなく、実際の対局の譜面を再現しているそうです。それは本殿着工より約50年遡ったころの本因坊道策とその弟子で熊谷市出身の熊谷本碩の棋譜だそうです。こういう細部までのこだわりがいいですね。

二つ目は、弁天様と吉祥天さんが向かい合い、それを毘沙門さまが見ており、いつもは毘沙門天に踏まれている邪鬼が毘沙門天の横に座っている彫刻です。



こういう創作の画は見ていて楽しくなりますね。

彫刻が有名ですが、それ以外にも見所が沢山あります。その一つが軍荼利明王の滝です。滝の横に見事な軍荼利明王の石仏がありました。





また、今回のツアーは「東国武士の守り本尊巡り」ですので、妻沼聖天山の開基である坂東武士・斉藤別当実盛の像も訪れました。

像は鏡を見ていますが、これは戦に出る前に年老いていることを悟られないために白髮を黒く染めている場面を表しているそうです。斉藤別当実盛は源平時代の武将なので、大河ドラマに出る可能性が高いですね。その時には縁のお寺として、妻沼聖天山が紹介されると思います。



妻沼聖天山は上記以外にも、総門である「貴惣門」などまだまだ見るべきところが多かったので、今度は晴れた日に訪れようと思います。
カテゴリ
タグ