成田山だよりには正五九詣りをしている人の話が以前から載っており、正月は分かりますが、なぜ、五月と九月なのだろうと思っていました。
正月、五月、九月は、在家の仏教信者にとって、八斎戒(はっさいかい)を守って身を慎む月にあたります。
八斎戒とは
(1) 生き物を殺さない
(2) 盗みをしない
(3) みだらな行為をしない
(4) 嘘をつかない
(5) お酒を飲まない
(6) 着飾ったり歌や踊りを鑑賞しない
(7) 過度に豪華な寝台で寝ない
(8) 正午を過ぎてから食事をしない
です。
それぞれの月の前半十五日間だけ八斎戒を守り精進し、そのことを長斎(ちょうさい)と呼び、正五九の三つの月を「三長斎月」と呼びます。
インド、中国を経て、日本に伝わりましたが、日本ではいつの頃から、三長斎月には寺院にお参りするという形になりました。
その昔、寺院の多くは人里離れた土地に建立されており、かつては身を清めて神仏の御加護を願い、何日もかけて巡拝する大変な修行でした。
この修行を長斎の代わりとして、功徳を積んで仏恩に恵まれるように願って行われてきたのが正五九詣りなのです。
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