博物館に着いたのは2時20分ぐらいで、館内で話し声がしました。展示解説のようでしたので、そちらに行くとやはり、ボランティアガイドさんによる展示解説でした。この展示解説、4時ぐらいまであり、とても楽しかったです。
このような解説を殆ど知っていることをしゃべるから聞かないという人もいます。しかし、例え95%の内容を知っていたとしても、5%の知らなかったことに出合える喜びがありますので、私は時間が許せば聞くことにしています。
以下、印象に残った展示を書きます。
・鶴林寺の山号の由来
鶴林寺の山号は、刀田山ですが、そのような名前がついた理由は次のとおりです。
百済の僧・日羅が聖徳太子の慰留を拒んで帰国しようとしました。しかし、聖徳太子が神通力で無数の刀を田に出現させたので、日羅は畏れを感じて、帰国を思いとどまったので、刀田山となったそうです。
鶴林寺の山号はなぜ刀田山なのだろうと、不思議に思っていましたが、上述のような話があるとは知りませんでした。
・銅造聖観音立像(あいたた観音)
鶴林寺といえば、こちらの「あいたた観音」です。そのお顔を見ているとこちらも思わず笑顔になる素敵な観音像です。前から見ると腰をかなりひねっており、横から見ると後ろにそっていました。そして、後ろから見ると少し金箔が残っていました。
・聖徳太子坐像及び二王子立像
聖徳太子像はいわゆる十六歳像ですが、一般に十六歳像は立像ですが、こちらは坐像で、それが珍しいなと思いました。脇の王子は、太子の弟である殖栗王(えぐりおう)、太子の皇子である山背大兄王だそうです。
・太子堂内陣荘厳画
太子堂内陣荘厳画が白黒画で展示してあり、見応えがありました。秋の鶴林寺の御開帳ではそれらがカラーで展示されるそうなので、楽しみです。
・薬師三尊
薬師三尊は薬師如来、日光菩薩、月光菩薩ですが、薬師如来は医王、日光菩薩は日照、月光菩薩は月照という名前の人で、親子だったそうです。薬師三尊以外にも、釈迦三尊、阿弥陀三尊がありますが、三尊の中で実際の親子だったのは薬師三尊だけだそうです。薬師三尊が親子だったとは知りませんでした。
上記以外にも、聖徳太子絵伝など、ボランティアガイドさんの案内のもと、楽しく鑑賞することができました。
鶴林寺では10月6日から11月25日まで、新宝物館開館記念特別展が開催され、60年に一度しか開帳されない秘仏も御開帳されますので、その前にこの特別展に訪れて、鶴林寺について学びましょう。

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