性空上人の教えにふれようと、和泉式部ら一行は書写山を訪れましたが、居留守を使われ、その時、
「暗きより 暗き道にぞ入りぬべき 遥かに照らせ 山の端の月」
と詠みました。
弟子から様子を聞いた性空上人は、この歌にひどく感動して、急いで一行を呼び戻し、
「日は入りて 月はまだ出ぬたそがれに 掲げて照らす 法の灯」
と歌を返しました。
上述の歌を理解するには
・太陽は現世仏である釈迦を意味している。
・満月は来世仏である弥勒を意味している。
・山の端の月とは三日月のことを意味している。
を知っておく必要があります。
「暗きより 暗き道にぞ入りぬべき 遥かに照らせ 山の端の月」
とは
「(末法の世のため)暗い、暗いところへ堕ちているが、三日月の弥勒仏でもよいので、照らして下さい」
「日は入りて 月はまだ出ぬたそがれに 掲げて照らす 法の灯」
とは
「お釈迦様が亡くなって、弥勒仏がまだ悟りを開かれていない時代は、法華経で皆さんを導きましょう」
を意味しているそうです。
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