徳円寺を以前訪れた方、及びテレビ見仏記7のDVDを見た方ならご存じのように、こちらの観音様は馬頭観音立像で、足の裏を見せている少し変わった観音様です。お寺に着くと、90歳代のご住職自らがマイクを手に取り、説明をしてくれました。いつまでもお元気でいて欲しいと思います。観音様は以前は33年毎に開帳する秘仏でしたが、お寺を訪れた人の「観音様を直接拝観できないのは残念」等の声をご住職が聞き、開帳するようになったとのことです。

ご住職の説明の後、馬頭観音像の近くに移動し、観音像を拝観しました。手の印(指の折り方)で馬頭観音かどうか分かるそうです。観音像も立派ですが、一緒に厨子に入っている、不動明王像と毘沙門天像も立派です。不動明王、毘沙門天を脇侍にするのは、天台宗の特徴だそうです。

お堂の奥には僧侶の像が祀られており、ご住職に聞くと、曹洞宗の道元、瑩山の像だそうです。また厨子に入った十一面観音像も祀られていました。

徳円寺は仏像だけではなく、お堂の彫刻も素晴らしいです。ついつい仏像だけに目がいってしまいますが、お堂の彫刻もお忘れなく。

ある方がご住職に「なぜ馬頭観音像は足の裏を見せているのですか」と質問したところ、ご住職も分からないそうです。私もなぜそうなっているのか、全然想像もつきませんでしたが、こちらに戻ってきて、ある考えが浮かびました。

昔は馬が重要な交通手段だったので、旅の安全を守る仏として馬頭観音は信仰を集めていました。馬は山道などを長時間歩くと足の裏が悪くなって、交通手段として使えなくなったと思います。そこで、馬頭観音像の足の裏を触って、「馬の足の裏が悪くならないように」とお願いをしたのだと思います。つまり、足の裏を触ってお願い事ができるように、馬頭観音像は足の裏を見せているのだと思います。
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