長谷寺という名前、平安時代末期に近くの遠国島に流れ着いたという寺伝から、観音菩薩が祀られているのかと思いましたが、阿弥陀如来が祀られているとのこと。

お寺に到着し、堂内に入ると、中央に弥陀定印をした阿弥陀如来坐像が安置されていました。顔が面長なのが特徴的ですが、静かに瞑想しているように感じました。

近くで拝観を終えた後、少し離れた場所から眺めていると、ある方が「降魔坐をしている阿弥陀如来は珍しい」と言われました。確かに全然気づきませんでしたが、よく見ると、左足が上で結跏趺坐を組んでいました。

右足を上にする吉祥坐は悟りを開いた者の坐法、左足を上にする降魔坐は修行中の姿をあらわす坐法なので、如来ならば、吉祥坐のはずですが、仏師はどのような思いで、降魔坐にしたのでしょうか。

また脇侍として、二体の仏像が祀られていました。阿弥陀如来の脇侍は観音、勢至菩薩ですが、こちらの像は持物が観音、勢至のものとは異なっており、違う仏様が祀られているように思えました。

堂内の拝観を終えた後、境内を散策すると、素敵な千手観音の石像がいらっしゃいました。


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