上原仏教美術館に以前訪れた方から、

・田島さんという学芸員さんとの話が楽しかった

と聞いており、また、

・当日既に訪れた涅槃堂で田島さんが仏像の調査をしたという話を聞いた
・南禅寺で田島さんが書かれた「南禅寺の仏像」という案内を頂いた

ので、上原仏教美術館では田島さんにお会いしたいなと思っていましたが、到着すると田島さんがおられ、案内をしてくれました。

上原仏教美術館は大正製薬株式会社の名誉会長であった上原正吉さんらが1983年に設立した仏教美術専門の美術館です。

展示は現代の仏像が中心です。現代の仏像の特徴の一つは全てを一木で造ることだそうです。一木造りと呼ばれる仏像は昔からありますが、腕などは別の材で造られていることも多いです。しかし、現在の仏像は腕などを含め、全てを一木で造り、これは現代の信仰といえるそうです。大きな大黒天像が展示してありましたが、一木造りだそうです。

展示の中で、重要文化財に指定されている、平安時代の十一面観音立像がありました。昔はノコギリがなかったので、真っ直ぐスパっと割れる針葉樹が使われることが多いそうですが、こちらの像は広葉樹のサクラの木が使われているそうです。

鎌倉時代の阿弥陀如来立像も展示されており、鎌倉時代に多く造られた三尺像です。こちらの像は頭と胴体が繋ぎ合わされています。これは頭部は細かい部分が多いため、体につながったままでは彫りにくいので、製作段階では頭部を外し、手の中で回しながら彫ったからだそうです。

また、足の裏に穴があり、台座に棒があって、そこにはめて、像と台座を一体にするそうです。しかし、一般的には、像に棒があって、台座に穴があるそうです。この像が逆なのは、足の裏に輪形の相を入れたかったためだそうです。

仏像以外では中尊寺経もあり、秀吉が中尊寺から持ち出し、高野山が所有していたものが流失したものだそうです。金と銀で交互に書かれており、とても美しいものでした。特に銀は腐食しないよう、色々な作業をしたそうです。

説明が終わった後、館内の仏像を鑑賞しましたが、有名な仏像からインスピレーションを得て、造られたと思われるものが多く、それらを見ていくのは楽しかったです。

その後、昼食をとりました。本ツアーは仏像拝観ツアーですが、地元の名産を選んでくれているので、参加者の皆さん、食事もとても楽しみにしています。



昼食の場所の近くに菜の花畑があり、とても綺麗でした。また、訪れた時は河津桜が見頃だったのに近くで見る機会がありませんでしたが、昼食の時間だけ、見る時間がありました。河津桜は想像よりも美しいもので、また満開の時期に来たいなと思いました。




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