伊豆山神社では、まず伊豆山郷土資料館の展示品を拝観しました。最初は宝冠阿弥陀如来坐像です。伊豆山権現にあった常行三昧堂の本尊で、同じ宝冠阿弥陀如来坐像が広島県の耕三寺に安置されています。明治時代の廃仏毀釈の際に一体は流失して結果として耕三寺にたどり着き、一体は地元の人が隠しておいたので伊豆山神社に残りました。

耕三寺の仏像には快慶作と銘があるので、重要文化財に指定されていますが、伊豆山神社の仏像には銘がないので、県指定の文化財となっています。先月、京都の悲田院でも快慶作の宝冠阿弥陀如来坐像を拝観しましたが、やはり、快慶の仏像は美しいです。完成された仏像という印象を受けます。

次は法華曼荼羅です。北条政子が頼朝の一周忌に自らの髪の毛を刺繍して奉納した曼荼羅です。展示されているものは複製品でしたが、案内の方によると、本物は凄い迫力があるそうです。MOA美術館で7/14-9/3(?)に特別展が開催され、その時に本物の曼荼羅が展示されるとのことです。

経塚も展示されていました。経塚とは、お釈迦様が入滅してから五十六億七千万年後に弥勒菩薩が衆生を救うまでの間、お経を守るために埋めたもので、末法思想から生まれました。900年前に埋められたものなので、お経(紙)は湿気により、無くなっていたそうです。

「伊豆大権現」と書かれた大きな額もありました。廃仏毀釈以前に神社の拝殿に掲げられていたもので、字の一部に、カラス、ナマズ、ハト、ヤモリ、ヘビに見える箇所があり、伊豆山権現の神使はたくさんいたのでしょうか。

伊豆山神社には日本一のものが二つあるそうです。一つ目は日本一大きな神像で、212センチあるそうです。通常は本殿に祀られており、現在は修理中だそうです。そして、修理が終わった後、MOA美術館の特別展で展示されるそうです。

二つ目は日本一重たい神像で、110.5キロあるそうです。その像は銅造の走湯権現像です。走湯権現は湯水を守る神様で、伊豆は現在も温泉で有名ですが、地元の方の生活のためになくてはならない温泉を守る神として、昔から崇められているそうです。

男・女神像は縁結びの神様です。頼朝と政子の話が有名ですので、今もたくさんの方がお参りに来ているそうです。

資料館を出た後、境内を歩きましたが、伊豆山神社は良いところだなと感じました。末社の白山神社が山道を登って500メートルのところにあり、今回は時間がなく遥拝で済ませましたが、次回訪れた時には山道を登って、お参りしたいと思います。

またMOA美術館の特別展も興味深いものですので、必ず訪れたいと思います。


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