今回のツアーで最初に訪れたお寺は、小田原市にある宝金剛寺です。境内には梅が綺麗に咲いており、良い感じでした。



まずは庫裏にあげてもらい、お茶とお菓子をいただきながら、お寺の話を聞きました。そして、本堂に移動。中央に薬師如来坐像が祀られており、向かって右に地蔵菩薩立像が安置されていました。こちらのお地蔵さんの光背には小さな如意輪観音像が付いています。地蔵菩薩像は木造ですが、如意輪観音像は銅造だそうです。地蔵菩薩と如意輪観音には仏教的関係は特に無いので、光背を造る時に当時の住職が自身の念持仏を入れたのではないかと考えられているそうです。

地蔵菩薩像は平重盛が建礼門院徳子の安産を祈願したと伝えられており、徳子は無事に安徳天皇を出産したので、安産の御利益があるそうです。平重盛が小田原のお寺にまで安産祈願をしたのは不思議な気がしますが、それほど、必死に願っていたということなのだと思います。

廻り地蔵と呼ばれるお地蔵さんも安置されていました。こちらの像は妊婦がいらっしゃる家に出産まで貸し出されていたそうです。今は代わりにこけし型のお地蔵さんが授与されるそうです。堂内にはその他に、大威徳明王像、不動三尊像などが祀られていました。

次は収蔵庫に移動しました。こちらには銅造の大日如来像が安置されていました。銅造の大日如来像としては日本最古ではないかと考えられている像です。昨年、鎌倉国宝館でお会いしましたが、その時よりも立派に感じました。博物館の展示会ではたくさんの仏像にお会いできる利点がありますが、一つ一つの印象が薄くなってしまう欠点があると思います。今回、お寺で大日如来像にお会いできて、本当に良かったです。

隣に祀られている不動三尊像も立派でした。仏舎利が頭部にあったそうで、なぜ、心臓辺りではなく、頭部にあったのか不思議です。

宝金剛寺ではお寺の方が丁寧に説明してくれ、良いお参りとなりました。
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