平成24年春の薬師寺東京別院の宝物特別公開は「還ってきた東塔塑像、甦った西塔四天王像」でした。

JR五反田駅で下車し、薬師寺東京別院に到着すると、宝物拝観料500円を払い、中に入りました。そして、二階の本堂に入ると、正面にご本尊の薬師如来坐像が祀られ、その脇に今回の目玉の一つである「甦った西塔四天王像」が安置されていました。部屋の左側には薬師寺絵図が掲げられており、右側にはもう一つの目玉である「還ってきた東塔塑像」が安置されており、後ろには書などが展示されていました。

宝物特別公開中は毎時0分からお寺の方の解説と法話がありますので、それまでの時間、宝物を拝観し、少し前に着座して、解説と法話が始まるのを待ちました。

まず四天王について、話がありました。明治時代に壊れたパーツを組み合わせて、一度修復がされたそうです。しかし、その時は二天しか修復することができなかったので、像は二天像と呼ばれていたそうです。今回の修復では新たに制作した部分と組み合わせて、四天王像が復元しました。

修復前の広目天像は両腕が下がっていましたが、全体で見た時、一つの像だけ両腕が下がっているのはおかしいので、片手を挙げた形で修復したそうです。四天王像は近くに寄って拝観しましたが、どこを修復したのか分からないぐらいの出来栄えでした。

また四天王像は岩座に立っており邪鬼を踏んでいませんが、頂いた案内によると、破片に邪鬼の部材もあり、当初は邪鬼を踏んでいたと考えられるそうです。

四天王像は薬師寺に戻ると西塔に祀られ、毎月8日の薬師如来の御縁日にしか拝観できないとのことです。

次は東塔塑像の話です。全部で三体の塑像が展示されていましたが、粘土の部分が一番残っている像は二年前に薬師寺に戻ってきたそうです。今は立派な大寺院となっている薬師寺もかっては貧しく、お寺を維持するために仏像が外部に流失したそうです。

像は大和座りの菩薩像と考えられるそうで、確かに残った心木から大和座りのお姿が想像できました。また心木はデッサンのようでした。これは木目が統一されているからだそうで、後で近くで拝観すると確かに木目が統一されていました。塑像なので心木の上から粘土をつけ、木は目に触れることがないのにしっかり造られているのは神仏に対する畏敬の念からだと思いました。

次は薬師寺絵図の話です。どちらも江戸時代の作ですが、一つにはたくさんのお堂が描かれており、もう一つにはあまりお堂が描かれていません。前者は奈良時代の薬師寺を想像して描かれたもので、後者は現在(江戸時代)の薬師寺だそうです。

最後は書の話です。金堂・東西両塔再興勧進状が展示されており、「由緒ある薬師寺のお堂が破損した状態にあるのは悲しいことだ」と書かれており、今は立飯になった薬師寺が忘れてはいけない書だと思いました。

薬師寺は東京別院を含め、お寺の方が楽しく為になる話をしてくれるので、いつも訪れるのが楽しみです。
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