今回の京の冬の旅では、最後に相国寺を訪れました。相国寺では、塔頭・大光明寺と法堂・開山堂が特別公開されています。どちらを先に拝観しようかと思いましたが、前を歩いていたバスの団体さんが法堂・開山堂のほうに歩いていったので、我々は大光明寺から拝観することとしました。



寺歴を聞いた後、ご本尊の普賢菩薩坐像を拝観しました。今回の開帳は18年ぶりの開帳とのことです。普賢菩薩がご本尊のお寺は少なく、殆どの場合は釈迦三尊の脇侍として祀られているので、単独で祀られていると少し違和感を感じますが、両手を合わせ、まっすぐに一点を見つめている像の前に立つとこちらも自然と手を合わせ、良い仏様だなと感じました。

お堂の前の庭は石組みが「心」の文字を形どったように見えるので、心字の庭と呼ばれているそうです。



そして、入口付近にあった庭は、普賢菩薩の道場とされる峨眉山を表しているので、峨眉山の庭と呼ばれているそうです。



次は法堂に行きました。正面には、中央に釈迦如来像、脇侍として、迦葉、阿難が祀られていました。法堂の一番見所は、天井に描かれている蟠龍図です。堂内で手を打つとその反響音が龍の鳴き声のように聞こえる鳴き龍です。私を含め多くの人が手を打ちましたが、どなたも上手く龍を鳴かせることができませんでした。東京の高幡不動の鳴き龍は上手く鳴きましたが、相国寺の龍は難易度が高いです。

お堂の奥には、高僧像や足利義満像などが祀られていました。この中で、夢窓国師像は夢窓国師がなで肩だったので、像もそのように造られているそうです。夢窓国師像は何度か拝観していますが、これには気づきませんでした。これから夢窓国師像にお会いした時にはまず肩をチェックします。

次は開山堂に行きました。今は開山堂という名前の通りお堂ですが、かっては開山塔と言い、七重塔があったそうです。その七重塔の高さは107メートルだったそうです。東寺の五重塔が55メートルですから、107メートルが如何に高かったかが分かります。そのように高い塔は再建がさすがに難しかったので、お堂になったそうです。

開山堂の前には、龍淵水の庭と呼ばれる庭があり、手前に枯山水、奥に苔の築山、その間に水路がある珍しい庭です。枯山水では石の紋様で水の流れを表現しますが、その模様は月の光を堂内に反射して、堂内で夜でも坐禅ができるようにする目的があるそうです。枯山水の光の反射率は雪と同じだそうです。また座禅するお堂は光が反射しやすいよう壁は白なのだそうです。京の冬の旅では説明が丁寧なので、このようなことを知ることができ、毎回、楽しみです。



最後は京の冬の旅のスタンプラリーでスタンプが揃ったので、俵屋吉富「京菓子資料館」で接待のお茶とお菓子をいただきました。


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