お寺に到着し、拝観料を払って中に入ると、本堂から拝観してくださいの案内があり、本堂である龍華殿に向かいました。
龍華殿に入ると写経している方が何人かいました。雲龍院は南北朝時代から続く日本最古の写経道場ですので、現在でも多くの人が写経しているその姿は良いものでした。写経机は後水尾天皇より寄進されたものを現在でもそのまま使用しているそうです。
龍華殿の襖絵には左側に風神と阿形の龍、右側に雷神と吽形の龍が描かれていました。龍は
(1) 火災から守るという意味
に加えて、修行中のお釈迦様を豪雨から守ったという伝説から
(2) 仏法を守るという意味
で、お寺ではよく描かれるそうです。


またこちらの龍は爪が五つ描かれていますが、昔は中国では五爪、朝鮮半島では四爪、日本では三爪の龍とハッキリ分けられていたそうです。左右の龍の真中にご本尊の薬師三尊像が祀られていました。
次は霊明殿を拝観しました。こちらには、星を供養し除災招福を祈念する行事「星供」の九曜星本尊が祀られていました。九曜星本尊は画として描かれることが多いそうで、仏像としては珍しいそうです。確かに私も初めて拝観したような気がします。
雲龍院境内中庭を見られる部屋には、面白い掛け軸が掲げられていました。鎌倉時代の大工さんの落書きだそうですが、何と読むか分かりますか。是非、雲龍院を訪れて、正解を聞いてください。

次は「悟りの窓」と「迷いの窓」を拝観。真円を描いている「悟りの窓」は禅における悟りの境地を表しており、四角い「迷いの窓」は人生のおける苦しみである生老病死四苦八苦を表しているそうです。


最後は走り大黒天を拝観しました。こちらの大黒天は大きな袋を背負っており、大国主命と習合した後の大黒天のようですが、顔は憤怒であり、習合前の戦闘の神であった名残をとどめています。大黒天を読んだ詩「一歩踏み出す大黒様は 開運成就の福の神」があり、上手く言い表しているなと思いました。
以上のように雲龍院は拝観するところが多くあり、有意義なお寺めぐりとなりました。

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