上品上生から下品下生まで9つの異なる印相をしている阿弥陀如来を九品仏といい、西では浄瑠璃寺、東では浄真寺が有名です。今回のツアーでは長野県で九品仏を祀っている蓮台寺を訪れました。

お堂に入ると八体の阿弥陀如来像が祀られていました。もう一体は裏にある収蔵庫に安置されていました。泰澄が造ったとされる九体の阿弥陀如来像は1120年の火災で八体が焼失してしまい、残った一体が収蔵庫に安置されています。

堂内でお寺の方が話をしてくれましたが、印象に残ったのは「済生利民(さいせいりみん)」という言葉です。済生利民とは、日の当たらない人々が持っている本来の能力を、埋もれさせることなく多くの民のために役立てるという考えです。これが泰澄の本願であり、済生利民を実現させるために蓮台寺を造ったそうです。

堂内に並んでいる阿弥陀如来像は美しく、広く知られるようになれば、人気のでるお寺だろうと思いました。お堂を出た後、収蔵庫に行き、焼失を免れた像を拝観しました。像は他の八体に比べて黒っぽく、一番素晴らしく感じました。

参道にはリンゴの木があり、リンゴが実っていました。リンゴの木は普段見慣れていないので、とても新鮮に感じます。



最後に仁王門に行くと明治期の火災で焼けた仁王像が安置されていました。焼けても、お寺を魔から守っているその姿に神々しさを感じました。


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