会場に入ると二河白道が造られていました。つまり、入口から白道が伸び、その横は青と赤色となり、白道の先には阿弥陀如来の画が掲げられていました。

法然の一周忌供養法会に合わせて造られた阿弥陀如来立像は本当に素晴らしいものでした。像内には像と縁を結んだ四万六千人ほどの名前が書かれた名簿が収められています。多くの人が法然(阿弥陀如来)と結縁したいと思ったことが分ります。像は一メートル程度の大きさですが、物凄いパワーを持った大きな仏像のように感じました。

浄光明寺の阿弥陀三尊像は今回の展示で一番楽しみにしていたものです。お寺では収蔵庫に安置されており、少し距離がありますが、展示ではより近くで拝観することが出来ました。

阿弥陀如来像には鎌倉の仏像でしか見ることができない土紋が貼りつけられています。土紋はよく分かりましたが、土紋の良さがよく分かりませんでした。

土紋が鎌倉周辺にしかないのは、当時の京都は文化的に成熟しており、中国の文化をそのまま採用することはなかったが、鎌倉文化はまだまだ成熟しておらず、中国文化を積極的に取り入れたからと言われています。つまり、京都は土紋がよいと思わなかったので採用しなかったとなります。是非、土紋の付いた仏像を現在に復元してもらって、制作当時はどのような姿だったのかを見てみたいです。

土紋の良さは分かりませんでしたが、脇侍の良さは分かりました。特に勢至菩薩像が良かったです。向かって右側から見た顔がなんともいえない良いお顔をされていました。

親鸞が阿弥陀如来は光そのものであり、像などで表せられるものではないと言ったことで、浄土真宗では名号にとどまることが多いそうです。その中で、光明本尊が良かったです。中央に配された阿弥陀の名号から放射状に光明が放たれているもので、初めて拝観しましたが、とても印象に残りました。


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