11月5日の話です。
安土城考古博物館で開催されている「武将が縋った神仏たち」展を鑑賞するため、JR安土駅で下車しました。駅前にはレンタサイクルがありましたが、のんびり歩いていくことにしました。しばらく歩いていると、遠くに特徴のある安土城考古博物館が見えてきました。





展示では、軍神として知られる
・八幡大菩薩
・勝軍地蔵
・飯縄権現
・妙見菩薩
・兜跋毘沙門天
・刀八毘沙門天
・摩利支天
などが展示されていました。

勝軍地蔵は京都の清水寺の御開帳で拝観して以来、好きな像ですが、騎馬甲冑姿の愛宕権現形式が定型で、清水寺のものは清水寺形式と呼ばれているそうです。会場では愛宕権現形式と清水寺形式のどちらの像も展示してありました。

また勝軍地蔵は日本で生み出された尊格だそうです。二月に上野の清水観音堂の御開帳に訪れた時、お寺の方から「将軍地蔵は地蔵ではない」と聞いていたのですが、その意味が分りました。個人的には勝軍地蔵はとても惹かれる像で、今回の展示でも何度も見返しました。

飯縄権現の仏像も展示されていましたが、色々な仏が合体した飯縄権現もとても惹かれる仏様です。

妙見菩薩像は今回の展示案内の中央で紹介されているほど、立派なものでした。千葉氏が熱心に信仰していたため、千葉県に像が多いです。

今回の展示は「東日本大震災復興祈念」と副題がつけられています。千葉県・東庄町公民館は東日本大震災の時、大きく揺れたので、安置している妙見菩薩像は倒れたと思い、揺れが収まった後、像を見ると平然と立っていたそうです。そこで、この妙見菩薩を復興のシンボルとして、復興祈念の展示会にしたいとの思いから上述の副題がつけられたそうです。

妙見菩薩は北斗七星を神格化したものなので、三井寺の尊星王像も展示されていました。立体像と絵図が展示されており、絵図は細かくところまで分かったので、絵図を見ながら立体像を見ると、立体像もよく分りました。三井寺では黄不動も絵図と立体像がありますので、重要な絵図は立体像も造ったんですね。

兜跋毘沙門天の兜跋(とばつ)に刀八の字を当てるようになり、刀八毘沙門天が考えだされました。名前の通り、左右に四本ずつ、計八本の刀を持った毘沙門天です。

聖徳太子像も祀られていました。聖徳太子は仏敵である物部氏を討伐したので、軍神としても信仰されていたそうです。

伝・新田義貞倚像も展示されていました。新田義貞が神として祀られていたとは知りませんでしたので、少し驚きました。

戦国時代が好きな私にはとても楽しめた展示会でした。
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