新横浜駅を7時52分に出発する新幹線に乗りました。当日は昨日の雨も上がり、曇ってはいましたが、寺社めぐりには悪くない天候です。そして、静岡県を通過している頃から青空が見え始め、下車駅である米原では晴れていました。

米原駅で電車を乗り換えたことのある人は多いと思いますが、駅の外に出た人はあまり多くないかもしれません。駅東口は工事が行われており、数年後には景色が大きく変わるのではと思います。そのような米原駅東口からほど近いところにお薦めのお寺があります。それが青岸寺です。

青岸寺に到着すると、拝観料300円を払い、御朱印をお願いしました。そして、御朱印を書いている間に今回仏女ブロガーとして訪れた旨を話すと拝観料300円を無料にしてくれました。青岸寺さんに感謝です。加えて、庭園などの説明をお願いしましたが、予め連絡していなかったのに加え、今日は精進料理の予約がありその準備のため、説明はできないとのこと。残念ですが、仕方がありません。

まずは有名な庭園の拝観です。昨日雨が降ったので庭に水がたまっているかと期待していましたが、水はありませんでした。前回訪れた時に、山に降った雨が一度地中に入り、それが湧き出ることによって庭園に水がたまり、その時の庭園はとても美しいと聞いていたので密かに期待していたのです。水をたたえた庭園を拝観するのは次回までのお預けです。

「青岸寺庭園鑑賞の手びき」という小冊子がおかれており、そこに
・三尊石
・視点場
・枯山水、関守石
・雪吊り
・蹲踞(つくばい)、石灯籠
・井泉、降り井戸、霰(あられ)こぼし
がイラスト付きで分かり易く解説されていました。以下、庭園の写真です。




天気が良かったので、青空と庭園が美しかったです。




寺cafeとあった部屋からの眺め。この部屋から抹茶でも飲みながら、のんびり庭園を眺めるのは贅沢ですね。

庭園の拝観を終え、本堂内で御本尊様にお参りしていると御住職がいらっしゃり、仏像の説明をしてくれました。きっと忙しい中、時間を作ってくれたのだと思います。とても、ありがたかったです。

佐々木道誉によって建てられた米泉寺は1504年に焼失しましたが、御本尊の聖観音坐像は難を逃れました。江戸時代に青岸寺として再興される時、その聖観音像が御本尊として迎えられました。

江戸時代に再建された時から曹洞宗だそうで、曹洞宗のお寺の御本尊は釈迦如来なのではと思い、その点について質問すると、御本尊がお釈迦様になったのは明治以降であり、それ以前はどの仏様でも良かったそうです。
・禅の教え「一つのものにこだわらない」
・天台宗など別の宗派のお寺が曹洞宗になった時、「ご縁を生かす」
ということで、以前のお寺の御本尊をそのまま御本尊として祀っていたそうです。

「一つのものにこだわらない」、「縁を生かす」を聞いた時、そのような考えがあるとは想像もしていなかったので、思わずハッとしました。今回の青岸寺訪問ではこの会話が一番印象に残りました。

像の内側に墨書きがあるので、永和二年(1376年)に造られたことが分かり、基準作となる等の理由により、滋賀県の文化財に指定されているそうです。

像は明かりがついているので表情がよく分かりますが、まっすぐ一点を見つめている表情に見えたり、少しにっこりしているように見えたり、色々な表情に感じました。

部屋の右隅には十一面観音立像と近江七福神の福禄寿像が安置されていました。十一面観音像は米原市の指定文化財で、近くで拝観することができます。良いことも悪いことも含めて、近江の歴史を見続けてきたお顔をしているような気がしました。

雑誌「みーな」の111号の記事に三体の観音像が紹介されていたので、「もう一体はどちらに祀られているのですか」と尋ねると、わざわざ持って来て下さいました。三尊形式の観音像のようで、印相が変わっているなと思いました。

お忙しい中、説明をしてくださった青岸寺様にはとても感謝します。仏女ブロガーとして最初のお寺訪問で、少し緊張していましたが、良いお参りができました。米原駅から近く交通の便が良いお寺ですので、多くの人に訪れて欲しいと思います。

訪問日:平成23年10月6日


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