・黒田観音寺
黒田観音寺に訪れるのはこれが二回目です。堂内に入るとまずは着座して、テープによる案内を聞きました。観音像は手が左右に9臂ずつあり、高さは1メートル99センチだそうです。准胝観音像とも言われていますが、准胝観音ならば三眼だが、額には目ではなく、白毫があるので、准胝観音像であるとは言い切れないそうです。
黒田観音寺では通常明かりがついた状態で拝観しますが、今回は明かりを消してもらい、その状態で観音様を拝観しました。どちらが良いかは人それぞれでしょうが、個人的には灯りを消した状態のほうが良いと感じました。近くでも拝観できるので近くに移動しましたが、近くからしゃがんで拝観した時のお姿が一番美しいと感じました。
・安念寺
堂内に入ると、随分傷んでしまっている仏像が安置されていました。案内によると、織田信長による比叡山焼き討ちの際、安念寺も焼失しましたが、幸い、仏像は田の中に埋めて隠したので焼失は免れました。それから約250年後の文政年間に田の中から村人がたちが像を掘り出し、洗い清め、仮堂を建て安置しました。その仏像が今、目の前に安置されている像です。田の中に長い間埋まっていたので、傷んでしまっています。今のお堂は昭和八年に建て替えられましたが、それまでの村の夏の行事として、仏像を川に持ち出し洗い清めていたそうです。そのため、別名「いも観音」とも呼ばれています。

中央の二体の仏像のうち、向かって左側の像は衣から如来と分かりますが、お顔は全くわからない状態になっています。右側の像は菩薩像(観音)と分ります。右壇にはどの仏様だったか全く分からなくなってしまっている像が何体か祀られていました。左壇には如来像が祀られており、傷んだ姿が苦行した後のお釈迦様のように感じました。
・明音寺 千手堂
世話人の方に扉を開けてもらうと、十一面千手観音像が安置されていました。全体的に黒いですが、唇の部分にだけ朱色が残っていました。お顔は厳しいように感じましたが、良い像でした。
千手堂の観音像は賤ヶ岳の戦いの際、戦災を逃れるために川に埋められました。しかし、観音像は見つかりませんでした。そこで留守を守るため若狭から観音像をお迎えしました。その観音像が今拝観している観音様です。
流された観音像は川道に祀られているそうで、きっと川道千手院の本尊だと思います。川道千手院では来年の11月3日から9日までご本尊の御開帳があるので、訪れて、お姿を拝観したいです。
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