奈良国立博物館の本館は平成22年7月に「なら仏像館」と改称し、リニューアルオープンしましたが、未だに訪れたことがありませんでした。ですので、今回の奈良訪問の楽しみの一つが、仏像館を訪れることでした。

仏像館に足を踏み入れると、たくさんの仏像が展示されています。また全てが素晴らしい像で、どこから鑑賞すればよいか迷ってしまいました。以下、印象に残った像を紹介します。

・快慶作地蔵菩薩像

地蔵菩薩像が二体ずつ向い合って展示していました。その内の一体を見た瞬間、これは快慶作に違いないと思い、確認するとやはり快慶作でした。東大寺・公慶堂に伝来した像だそうです。像は快慶仏らしい良いお顔をされていました。

館の方(?)が鑑賞していた人に、「どちらのお地蔵さんが我々のもとに早く来ると思いますか」と尋ねていました。二体の地蔵菩薩像は錫杖を持たない、もう二体の地蔵菩薩像は錫杖を持っており、錫杖を持っているお地蔵さんのほうが早く来るのが正解です。

次は「錫杖を持っている二体のお地蔵さんの内、どちらが早く来ると思いますか」と尋ねていました。一体は両足を揃えている、もう一体は片足を踏み出しており、片足を踏み出しているお地蔵さんのほうが早く来るのが正解です。

質問していた人は「このように仏像を見れば、仏像鑑賞が一段と面白くなりますよ」と言っていましたが、本当にその通りですね。ちなみに、錫杖を持ち、片足を踏み出していたのが、快慶作の地蔵菩薩像です。

・弥勒菩薩立像

案内によると、鎌倉時代の南都で信仰が広がった来迎形の弥勒菩薩像だそうです。右手は与願印、左手には水瓶を持っており、弥勒菩薩の来迎形というのは、このような印相をとるのでしょうか。

・東大寺 十二神将

去年、鎌倉で講演会「十二神将像のひみつ」を聴講した時、東大寺の十二神将の話が出たので、拝観できる日を楽しみにしていた像です。

平安時代後期に十二神将像と十二支が結びつき、現在見るほとんどの十二神将像には頭に十二支が置かれています。しかし、初期の頃は頭にだけ十二支を表せばいいという考えは定着しておらず、例えば、東大寺の十二神将像にはベルトにも十二支がいると話がありました。

実物を確認すると確かにベルトの部分にも十二支が表現されていました。

・東大寺 法華堂 金剛力士像

東大寺・法華堂から阿形、吽形の金剛力士像が展示されており、この像の鑑賞を一番の楽しみにしていました。

この像は次の三つの点で珍しいそうです。

・鎧を身につけている
・阿形と吽形の配置が逆である
・仁王門でなく、須弥壇に安置されている

像は素晴らしいものでしたが、上半身に比べて、下半身に力強さが足りない気がしました。でもきっと、私がまだこの像の良さを理解できるレベルに達していないからだと思います。これから何度も拝観すると思いますが、印象がどのように変わるか楽しみです。

なら仏像館にはこれ以外にも、兵庫県・浄土寺の上半身裸体の阿弥陀如来立像、重源上人像、奈良県・海住山寺の十一面観音像など素晴らしい仏像がたくさん展示されていました。今回は少し駆け足での鑑賞となりましたが、次回はゆっくり一日かけて、拝観したいです。
タグ