いよいよ今回のツアー最後のお寺である真福寺です。こちらは仁王像が木喰上人の作です。一般に仁王像は憤怒の表情をしていますが、木喰上人の手にかかれば、ユーモラスな表情になります。


阿形


吽形

阿形は見るからにユーモラスな表情をしています。視線をこちらに向け、ニッコリ笑ったその表情は「よく来た」と我々を暖かく迎えてくれているような気がします。一方、吽形は視線を上に向け、口を閉じています。

阿形が始まり、吽形が終わりを表しているとすると、阿形像は来訪者に会った時の喜び、吽形は来訪者が去る時の悲しみ、つまり、涙が出るのを上を向いて我慢している表情のように思えます。

仁王はお寺の入口で悪い物が境内に入らないように見張っていますが、木喰上人は「全ての物には仏性が宿っている」と信じ、憤怒ではなく、人間味あふれる仁王像を彫ったのではないかと感じます。

後からお寺の方に伺った話によると、仁王像は一木彫りで、木喰仏としては最大のものだそうです。それぞれ、500キロと300キロぐらいあるそうです。

本堂の裏には立ち木に彫った梨木観音像、堂内には金毘羅権現像が祀られていました。どちらも木喰上人が彫った仏像です。このように真福寺には四体の木喰仏が祀られていますが、仁王像が一番良かったです。

これで今回のツアーは終了しました。今回のツアーでも、木喰仏から多くのことを学べたと思います。新潟県にはまだまだ沢山の木喰仏があるので、第二第三の「越後の木喰仏を訪ねて」ツアーをやって欲しいと思います。でも、その前に訪れたいお寺があります。それは次回の記事で書きたいと思います。
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