こちらの注目は、柳宗悦が「威力の表現において傑作」と表現した閻魔大王像です。閻魔大王像は中央に祀られており、十王の中でもひときわ迫力があります。残念ながら、閻魔大王像は中越沖地震で倒れた際に歯が何本か欠けたそうです。帽子の部分に「王」の文字、胸の部分には太陽と月が彫られており、江戸時代の閻魔大王像という感じがしました。

また閻魔大王像にはヒゲが生えています。ということは、前回の記事にも書いたように、ここでも木喰上人は遊び心で、十王の中に自分自身をいれたのでしょうか。
案内の方によると、十王像も東京国立博物館の仏像展に出展され、そこで拝観した人が今でも訪れてくることがあるそうです。「仏像展」は凄い展示だったんだなと改めて思いました。
閻魔大王像以外では、お賓頭盧像が良かったです。笑顔が素晴らしく、見ているこちらも思わず笑顔になりました。

十王堂を出た後、柏崎市博物館にも立ち寄りました。こちらには、十王像の残り三体と奪衣婆像が安置されています。奪衣婆像は迫力のあるものが多いですが、こちらの像も迫力がありました。
博物館には木喰仏の拝観を目的に訪れましたが、展示してあった米山信仰が興味深かったです。米山(よねやま)は、新潟県の中越地方と上越地方の境に位置する山で、信仰の対象だった山です。昔はそのような山が日本全国にあったのだろうと思います。それらの山々をめぐる旅もやってみたいですね。
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