ツアー二日目に最初に訪れたお寺は長岡市にある宝生寺です。こちらには小栗山木喰観音堂と同様に三十三観音像が祀られています。

参道にはたくさんの石仏が祀られていました。吉田さんの石仏好きの影響を受けて、ツアーに参加している人たちも石仏の写真を熱心に撮っていました。

そして、収蔵庫で三十三観音像と対面しました。木喰上人が87歳と時の作で、像は四段に並んで安置されており、観音像以外に木喰上人自刻像もありました。

お寺の方の説明があり、それぞれの観音様の見分け方を教えてもらいました。

・千手観音 頭に化仏があり、手が複数ある
・准胝観音 頭に化仏がなく、手が複数ある
・如意輪観音 右手を頬に当てている
・馬頭観音 頭に馬がいる
・白衣観音 衣で手を隠している
・子安観音 胸に赤ちゃんをだっこしている
・十一面観音 水瓶を持つ

実は小栗山木喰観音堂で准胝観音はどの仏像かなと思っていたのですが、こちらで見分け方を聞き、よく分かりました。准胝観音と千手観音の違いが興味深いですね。

上記以外にも三面馬頭観音、聖観音像が祀られていました。また、十一面観音の持つ水瓶が薬壷のように見え、昔は観音様なのに薬師如来として、拝まれていたそうです。

像は帽子のような部分が黒く、また眉も黒いです。口紅も赤く残っており、なかなか特徴的です。

吉田さんによると、木喰仏からキリスト教の影響を感じるそうです。聖観音像は像の中で一番上品であると言われているそうですが、光背がなければ、マリア像のようです。また、馬頭観音像は服装がイエズス会のそれを思い出させるものです。木喰仏といえば、微笑ばかり思い浮かべますが、もっと深い何かがあるのかもしれません。
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