「忠」という字は中の心と書きますが、これは自分で自分を欺くことなく、常に全力投球で事に当たることを意味します。本来は、自分に向けるべきものです。
また「信」という字は、嘘偽りなく、自分が言ったことは必ず守ることを表す文字です。こちらは他人に対するものです。
自分に対しては忠、他人に対しては信、いずれも「誠」ということです。
では、自分を欺くことなく、誠を貫いていける人間性を養っていくには、日頃からどのようなことを心掛ければよいでしょうか。「大学」は次のように説いています。
「君子は必ず其の獨(ひとり)を愼(つつし)むなり」
立派な人物というものは自分独りでいる時、つまり他人が見ていない時でも己をしっかりと律していくという意味です。「大学」ではこの「愼獨(しんどく)」を非常に重視し、人物になるための一番の基本としています。
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