金剛院の後は多禰寺を訪れました。多禰寺には一度訪れたことがありますが、その時は時間の関係で宝物殿を拝観できませんでしたので、今回の訪問を楽しみにしていました。

よって、「車を降りると脇目もふらず宝物殿に向かいました」と言いたいところですが、多禰寺は高い場所にあり、そこから見る海の景色が良いので、しばらく景色を楽しみました。

そして、境内に入ると受付で宝物殿の拝観をお願いしました。その時、お寺のパンフレットと共に「秘密血脈」と書かれた紙も頂き、秘密血脈という文字に少し驚きました。

宝物殿に入ると中には様々な仏像が安置されていましたが、やはり立派な仁王像に目がいきます。

仁王像は鎌倉時代の作で、鎌倉時代らしいたくましいお姿です。テープの案内によると、高さが四メートルで、東大寺南大門につぐ大きさだそうですが、高さだけではなく、格好良さも東大寺南大門の仁王像に次ぐように感じました。

宝物殿には普賢菩薩像も安置されていました。象に乗っている坐像ですが、象の脇に二人の童子像がいるのが珍しいなと思いました。

宝物殿の後は前回と同様、本堂内を拝観しました。中央には閉じられた厨子があり、そこに西国薬師霊場の薬師如来様が祀られています。厨子の脇には日光、月光菩薩像が安置されていました。

左右には十二神将が祀られており、また不動明王、多聞天像も安置されていました。

同行の方が「これだけ立派な仁王像があるということは、多禰寺には素晴らしい仏像がたくさんあったのだろう」と言っていましたが、本当にその通りです。残念ながら火災で焼失してしまい、仁王像は離れた仁王門に祀られていたので、無事だったそうです。
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