受付で拝観料を払い、宝物殿の扉を開けてもらいました。正面に阿弥陀如来坐像、向かって右側に釈迦如来坐像、多聞天、仁王像、左側に増長天、仁王像が祀られており、入口の扉の右側に快慶作の深沙大将、執金剛神像が祀られていました。
執金剛神像は右手に武器を持っていますが、これは武器が物を壊すことから、煩悩を打ち砕くという意味があるそうです。東大寺の執金剛神像の御開帳は年に一度の12月16日だけですので、まだ拝観したことがありませんが、拝観したい仏像の一つです。
深沙大将は左手に今は何も持っていませんが、かっては蛇を持っていたそうです。また人間のドクロの首飾りもしていたそうです。両腿あたりには象の頭がありますが、よく見ると象の口に足を突っ込んでおり、深沙大将は本当に異形の姿です。
像はとても木の年輪を上手く使っています。おへそのあたり、右手のひら、象の鼻に木の年輪が見えますが、本当に像とマッチしています。ここまで考えている快慶はやはり凄いと感じます。
宝物殿では深沙大将と執金剛神像ばかりに目がいきますが、他の仏像も素晴らしいものです。阿弥陀如来坐像は顔以外は金箔がとれてしまっています。金箔が残っている顔も口の周りはとれており、それがヒゲのように見えます。よって、阿弥陀如来がヒゲを生やした豪族のように見えました。
金剛院は交通の便の悪いところにありますが、深沙大将は7/16~8/28日まで奈良国立博物館で開催される特別展に出展されるそうですので、この機会をお見逃しなく。
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