お寺に到着すると早速、拝観のお願いをしました。拝観料は400円で、お寺の方に案内され、本堂に移動しました。堂内には中央に蔵王権現像、その左右に不動明王像、観音像が祀られていました。
蔵王権現像はテレビ見仏記のDVDで見て、素晴らしい像だと感じ、お会いしたいと思っていたので、念願がかないました。本当に素晴らしい像です。金峯山寺以外では、一二を争う蔵王権現像だと思います。
お寺の方の説明によると、元々は千手観音像がご本尊だそうです。蔵王権現像の脇に祀られている観音像は残念ながら千手が失われており、見ただけでは千手観音像とは分からない状態でした。
千手観音像がご本尊のお寺に役行者が訪れ、蔵王権現像を彫り、祀りました。蔵王権現像を彫刻している時に神童が現れそれを助けたので、お寺の名前が神童寺になったそうです。
蔵王権現像は色が結構残っており、肌が青く、衣が白いです。江戸時代に塗られたそうですが、悪くはありません。蔵王権現像がご本尊のお寺は少なく、金峯山寺と神童寺ぐらいしかないのではと話されていました。
本堂での拝観の次は少し高い場所にある収蔵庫に移動しました。役行者像が安置されており、役行者がいる祠は自然の木をそのまま利用したものだそうです。
白不動と呼ばれている不動明王像も安置されていました。不動明王像は火炎光背ですが、こちらはそうではなく、また上半身が裸です。三井寺にある黄不動の写しであると考えられているそうです。言われてみると確かに黄不動に似ています。色が白い不動明王像は珍しいので、印象に残りました。
愛染明王像は天に向かって弓を射っている天弓愛染明王です。有名な天弓愛染明王は三体あり、高野山・金剛峯寺、山梨県の放光寺、神童寺にあるそうです。放光寺の像は拝観したことがあるので、高野山に行きたいなと思います。
その他にも素晴らしい仏像が祀られており、またお寺の方に地方で仏を守る大変さを聞き、印象深いお参りとなりました。

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