お寺に到着すると収蔵庫の扉を開けてもらい、中に祀られている普賢菩薩像を拝観しました。

像は手に何かを持っており、パンフレットで確認すると如意だそうです。お寺の方に如意について尋ねると、如意とは意のままになる棒のことで、像は元々は如意を持っていなかったと考えられ、禅宗が流行った頃に如意を持たされたのではないかと教えてくれました。
普賢菩薩像の象は立っているものを良く見かけますが、こちらの象は寝そべった状態です。これは厨子に入れる時に象が立った状態だと大きすぎるので、寝そべった状態に造ったのではないかと考えられているそうです。
普賢菩薩といえば、釈迦三尊の一つですが、こちらの像は三尊形式として造られたのではないそうです。また、お腹の部分に筋肉のようなものがあったので尋ねるとやはり筋肉だそうです。菩薩像に筋肉があるのは珍しい気がしましたが、王子時代のお釈迦様は学問も運動もできたので、筋肉があってもおかしくないそうです。
収蔵庫で普賢菩薩像を拝観した後、本堂に行き、十一面観音像を拝観しました。十一面観音像は長谷寺式の観音様で、近長谷寺もあることですし、この辺りでは長谷寺式観音に対する信仰が強かったのだろうと思いました。
現在十一面観音像が入っている厨子に元々は先程の普賢菩薩像が入っていたそうで、厨子に普賢菩薩の種子であるアンがありました。厨子の大きさと普賢菩薩像を比べると確かに像が立っていると入らないです。
また右壇には釈迦如来像が祀られていましたが、光背が鏡になっていました。お寺の方が「光背が鏡になっている仏像を他に知りませんか」とおっしゃいましたが、私にはそのような像を見た記憶がありません。どなたか光背が鏡になっている像を知っていれば、教えて下さい。
また釈迦如来像は着ているものが普通の像とは異なり、中国風で黄檗宗の影響が考えられるそうです。

普賢寺では像を拝観した後もお寺の方と色々と話をができ、心地良いお寺巡りとなりました。
カテゴリ
タグ