月刊致知6月号に掲載されている牛尾治朗さんの巻頭の言葉より。

「菜根譚(さいこんたん)」に私の好きな言葉があります。
人に与える恩恵は、最初はわずかにして次第に手厚くしていくのがよい。はじめに手厚くしておいて後でわずかにすれば、人ははじめに受けた恩恵さえ忘れて不満に思うものだ。

威厳を示すには、最初は厳しく接して次第にゆるめていくのがよい。はじめに優しくしておいて後から厳しくすれば、人は不当に辛く当たられたと感じて恨みを抱く。

ところがこの頃の人間関係は総じてこの逆のパターンが多いようです。この傾向は世論調査や人気投票にもよく表れており、誰に対しても人当たりがよく、寛容な態度を示す人が人気を集めます。これは悪しきポピュリズム、大衆併合主義へ発展する危険性をはらんでいます。

会社の上司も、最初はもの分かりがよくても、後から急に厳しくなったり、冷たい態度を取る人が多いようです。「菜根譚」の説くところとは逆をいっているわけですが、いまは厳しい上司を部下が端から拒否してしまう傾向にあるため、せっかくの成長のチャンスが生かされず、人材が育たないのです。
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