月刊致知5月号に北里柴三郎氏に関する記事が掲載されていました。

北里柴三郎はドイツで破傷風菌の純培養に成功するという業績をあげ、学会から大喝采を浴びます。しかし、ドイツ留学から帰国後、日本に研究を続ける期間がなく、困り果てていました。その時、福沢諭吉が「外国で素晴らしい業績を残してきた人が研究を続ける機関がないというのは、国家にとっても大きな損失である」と、自分の借地を提供し、柴三郎は無事研究を再開することができました。

柴三郎はある講演の中で
「私は慶應義塾の門下生ではないが、福沢諭吉先生からは塾生以上に大きな恩恵をこうむった。実質的な面はもちろん、精神的な面において直接伝授してもらった言葉は”独立不羈(ふき)”である」
と述べている。

不羈の「羈」は、繋ぐという意味で、馬が革でできた轡(くつわ)についている紐で杭に括りつけられている状態を指す。しかし人間はそれではいけない。自らものを考え、それを行動に移し、移した行動については自ら責任を持つ必要がある。
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