これまでを振り返ってみて、いろんな経験を積むということが、人生においてどれほど大事なものかと思うんです。
それを私は「経験のズタ袋」と言うんですが、無我夢中でやってきたことをそのズタ袋の中にみな放り込んでおく、と。そして必要な時にそのズタ袋の中から、役に立つものをかき分けて取り出してくる。そういうことを、いつの頃からか考えるようになりました。
例えばベートーヴェンの「最後のソナタ」の一番難しい主題があるんですが、それなんかはやっぱり、仏教の悟りのような心境を本当に知っていないと出てこない。たった一つの音を出すのでも、いろんな精神的な経験を積んでいないと、思うようにはできないと思いますね。
***
経験のズタ袋を肥やせとありますが、何でもかんでも詰め込むのではないと思います。まずは目標を決める。そして、それを実現する段階で経験したことを詰め込むのだと思います。
カテゴリ
タグ